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糖尿病を5年放置するとどうなる?起こりうる合併症と改善方法を解説

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公開日: 2026.07.31

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)の濃度が高い状態が続く病気で、放置すると全身の血管が徐々にダメージを受けていきます。

自覚症状が乏しいまま進行するため、5年という期間を放置すると、目・腎臓・神経の障害だけでなく、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる合併症のリスクも高まります。

一方で、放置期間が長かった患者様でも、今から血糖コントロールを始めることで進行を抑えることが期待できます。

本記事では、糖尿病を5年放置した場合に起こりうる合併症や、今から始められる治療、生活改善のポイントについて解説します。

「症状がないから大丈夫」と感じている方こそ、ぜひ最後までご覧ください。

糖尿病は5年間放置すると合併症が進行するリスクが高まる

糖尿病を5年間放置すると、全身の血管障害が進み、目・腎臓・神経の合併症だけでなく心筋梗塞や脳卒中のリスクも高まります

糖尿病は初期段階では痛みや不快感といった自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに血管へのダメージが蓄積していく病気です。

とくに神経障害や網膜症は、糖尿病を発症してから5〜10年の間に現れることが多いとされています。

つまり5年という期間は、合併症が姿を見せ始める時期と重なります。

ただし、進行の程度は血糖コントロールの状態や個人差によって大きく異なり、5年放置したすべての患者様に重い合併症が現れるわけではありません。

今から治療を始めることで、合併症の進行を遅らせたり、新たな合併症を防いだりすることが期待できます。

糖尿病を5年放置すると起こりやすい合併症

糖尿病を放置した際に起こりやすいのは、細い血管が傷むことで生じる三大合併症と、太い血管が傷むことで生じる動脈硬化性疾患です。

ここでは、2つの合併症がどのように進行するのかを解説します。

三大合併症(網膜症・腎症・神経障害)

糖尿病の三大合併症とは、糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害の3つを指します。

いずれも細い血管が高血糖によって傷むことで起こるため、「細小血管症」とも呼ばれています。
※参照:糖尿病情報センター「合併症」

それぞれの特徴は以下のとおりです。

合併症 主な症状と進行した場合のリスク
糖尿病神経障害 ・足先のしびれや冷え、感覚の鈍り
・立ちくらみ、便秘、排尿障害などの自律神経症状
・傷や感染に気づきにくくなり、足の壊疽につながる場合がある
糖尿病網膜症 ・網膜の血管が傷み、視力が低下する
・自覚がないまま進行し、失明に至る場合がある
糖尿病腎症 ・腎臓の血管が傷み、ろ過機能が低下する
・進行すると透析療法が必要になる場合がある

三大合併症のうち最も早く現れやすいのが神経障害で、足のしびれから始まるケースが多いとされています。

いずれも初期は無症状のことが多いため、糖尿病と診断された段階で定期的な検査を受けることが重要です。

心筋梗塞・脳卒中などの動脈硬化性疾患

糖尿病を放置すると動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる疾患のリスクが高まります。

高血糖の状態が続くと、血管の内側にある内皮細胞が傷つき、血管が硬く狭くなっていきます。

この変化が心臓の血管で起これば心筋梗塞や狭心症、脳の血管で起これば脳梗塞につながります。

また、足の血管が詰まると歩行時の痛みが生じ、重症化した場合には足の切断が必要になるケースもあります。

糖尿病は血糖値だけの問題ではなく、全身の血管の病気であると理解しておくことが大切です。

5年間放置しても自覚症状がないことがある理由

糖尿病で自覚症状が出にくいのは、高血糖そのものが痛みを伴わず、血管や神経へのダメージが少しずつ蓄積していくためです。

血糖値が高い状態は、身体の内側で静かに進行するため、日常生活の中で異変を感じ取るのは難しいのが実情です。

さらに、神経障害が進むと感覚そのものが鈍くなり、足の傷や痛みにも気づきにくくなります。

喉の渇きや頻尿、体重減少といった症状が現れる頃には、すでに血糖値が相当高い状態になっている場合も少なくありません。

そのため、症状の有無で判断するのではなく、健康診断の血糖値やHbA1c(過去1〜2ヶ月の血糖状態を示す数値)といった検査結果をもとに判断することが重要です。

今から治療を始めても改善できる?

放置期間が5年あった場合でも、今から治療を始めることで合併症の進行を抑えることが期待できます。

糖尿病は完治が難しい病気であり、一度傷んだ血管や神経を完全に元の状態へ戻すことは容易ではありません。

しかし、血糖値を適切に管理することで、すでにある合併症の進行を遅らせたり、新たな合併症の発症を予防したりすることが可能とされています。

とくに網膜症や腎症は、早い段階で血糖コントロールを改善すれば進行を抑えやすいと考えられています。

「もう5年も放置してしまったから手遅れだ」と考えて受診を先送りにするほど、選択できる治療の幅は狭まっていきます。

時間が経っているからこそ、今の状態を検査で正確に把握することが第一歩となります。

糖尿病治療の基本

糖尿病治療の基本は、食事療法・運動療法・薬物療法の3本柱です。

それぞれの役割は以下のとおりです。

治療法 主な役割
食事療法 適切なエネルギー量と栄養バランスを保ち、血糖の急激な上昇を抑える
運動療法 筋肉でのブドウ糖の利用を促し、インスリンの効きやすさを改善する
薬物療法 経口薬やインスリン注射で、不足したインスリンの働きを補う

2型糖尿病では食事療法と運動療法から始め、血糖値やHbA1cが十分に下がらない場合に薬物療法を組み合わせるのが一般的です。

治療中はHbA1cを定期的に確認し、目標値に対して現在の状態がどうかを医師と共有しながら継続していきます。

また、症状が落ち着いても自己判断で薬を中断しないことが非常に重要です。

血糖値は薬によって抑えられているだけの場合もあり、中断すれば再び高血糖の状態に戻ってしまいます。

減薬や中止を希望する場合は、必ず主治医に相談しましょう。

糖尿病を悪化させない生活習慣

糖尿病の悪化を防ぐには、無理なく続けられる生活習慣を身につけることが血糖コントロールにつながります。

意識したいポイントは以下のとおりです。

  • 適正体重を維持する
  • 主食・主菜・副菜をそろえ、野菜から食べる順番を意識する
  • ウォーキングなどの有酸素運動を週に数回取り入れる
  • 禁煙する(喫煙は動脈硬化を進行させる要因となる)
  • 睡眠時間を十分に確保する

短期間で急激な減量や食事制限を目指すと、体調を崩したり継続できなくなったりする原因になります。

食後の散歩を習慣にする、間食の回数を1回減らすなど、小さな行動から始めるほうが長続きしやすいでしょう。

なお、食事内容や運動量は病状や合併症の有無によって調整が必要なため、具体的な目標は医師や管理栄養士と相談しながら決めていきましょう。

すぐに病院を受診すべき症状

以下のような症状がある場合は、重篤な状態に陥っている可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。

  • 著しい喉の渇きと、水を大量に飲む状態が続く
  • 尿の量や回数が急激に増えた
  • 食事量が変わらないのに急激に体重が減った
  • 強い倦怠感や吐き気、腹痛がある
  • 意識がもうろうとする、呼びかけへの反応が鈍い

これらは糖尿病ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖症候群といった、緊急性の高い状態のサインである可能性があります。

とくに意識障害を伴う場合は、迷わず救急要請を行いましょう。

また、こうした症状がなくても、健康診断で血糖値やHbA1cの異常を指摘された段階で早めに内科を受診することが大切です。

膵機能改善を目指す再生医療という選択肢

糖尿病に対しては、膵島細胞や幹細胞を用いて膵臓の機能改善を目指す再生医療の研究・治療が進められています。

現在の糖尿病治療の基本は、あくまで生活習慣の改善と薬物療法です。

そのうえで、内服薬やインスリン注射を続けても血糖値やHbA1cが下がりにくい患者様に対して、新たなアプローチとして注目されているのが再生医療です。

幹細胞治療では、患者様ご自身の脂肪組織から採取した幹細胞を培養し、点滴で投与します。

投与された幹細胞が膵臓や全身の血管の修復に働くことで、インスリンを分泌する力の回復を目指す治療法です。

効果には個人差があり、また幹細胞治療は自由診療となるため費用面の負担も生じます。

適応の可否は病型や病状によって判断されるため、関心のある方は再生医療に精通した医師のいる医療機関で無料相談を受けてみるとよいでしょう。

糖尿病に対する再生医療の考え方については、以下の動画でも詳しく解説しています。

まとめ|糖尿病は5年間放置せず早めの治療開始が重要

糖尿病は自覚症状が乏しいまま進行し、5年間放置すると目・腎臓・神経の合併症や動脈硬化性疾患のリスクが高まります。

一方で、今から血糖コントロールを始めれば、合併症の進行を抑えることが期待できます。

食事や運動を無理のない範囲で見直し、処方された薬を自己判断で中断せず、HbA1cを定期的に確認していくことが基本となります。

一方で、薬やインスリン注射を続けても血糖値が下がりにくい場合には、膵臓や血管の機能回復を目指す再生医療も選択肢の一つです。

再生医療は、患者様ご自身の幹細胞を培養して投与し、インスリンを分泌する力の回復を目指す治療法です。

糖尿病に対する再生医療の詳しい内容は、リペアセルクリニックの公式サイトでもご紹介していますので、将来のリスクに備えたい方は、ぜひ参考にしてください。

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監修者

渡久地 政尚

Masanao Toguchi

医師

略歴

1991年3月琉球大学 医学部 卒業

1991年4月医師免許取得

1992年沖縄協同病院 研修医

2000年癌研究会附属病院 消化器外科 勤務

2008年沖縄協同病院 内科 勤務

2012年老健施設 かりゆしの里 勤務

2013年6月医療法人美喜有会 ふたこクリニック 院長

2014年9月医療法人美喜有会 こまがわホームクリニック 院長

2017年8月医療法人美喜有会 訪問診療部 医局長

2023年12月リペアセルクリニック札幌院 院長