Case Studies
We present case studies from our three clinics in Tokyo, Osaka, and Sapporo, showcasing patients who have experienced improvement in a variety of conditions, including osteoarthritis, post-stroke sequelae, and spinal cord injuries.
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- 頚椎・腰椎ヘルニア・狭窄症・脊髄損傷・脊髄梗塞・脊髄炎などの症例
- Cases of Brain and Spinal Cord Disorders
- Stem cell therapy cases
自分の足で歩くことを目指す40代男性の脊髄損傷再生治療 「もう一度、自分の足で歩きたい」——そんな強い思いを胸に来院された40代男性の患者様。モトクロス競技中の事故で脊髄損傷(Th10–11)を負い、両下肢の筋力低下と排尿障害に悩み続けてきました。"リペア幹細胞"による治療を受けたところ、大腿四頭筋に筋力の改善がみられ、歩行復帰へ向けた確かな一歩を踏み出しています。さらなる改善にも期待が持てる状況です。 治療前の状態 モトクロス競技中に約70km/hでの衝突事故により脊髄損傷(Th10–11)を受傷 両下肢の筋力低下、両下肢のしびれ、膀胱直腸障害が残存 海外で手術を受けるも、両下肢の機能低下と排尿障害が改善されず 両長下肢装具を装着し、中でも排尿障害に強い悩みを抱えていた 患者様はモトクロス競技中に約70km/hでの正面衝突という重大な事故に遭い、脊髄損傷(Th10–11)および右大腿骨骨幹部骨折を受傷されました。現地で手術を受けられたものの、両下肢の筋力低下やしびれ、そして膀胱直腸障害が残り、特に排尿障害に強い悩みを抱えておられました。 手術後もこれらの症状が改善されないなか、患者様は再生医療による機能回復の可能性に望みを託し、当院を受診されました。 "リペア幹細胞"とリペアセルクリニックの特長 当院では、損傷した神経細胞へ、より多くの幹細胞を届け、修復を促したいとの思いから、幹細胞を脊髄くも膜下腔内へ直接投与する「脊髄腔内ダイレクト注射」を行なっています。投与された幹細胞は、循環している髄液に乗って、損傷した神経にたどり着くのです。 <治療内容>脊髄腔内に2,500万個の"リペア幹細胞"を計4回+慢性疼痛に対し点滴で2億個を1回投与 脊髄損傷に対して、脊髄腔内に1回あたり2,500万個の"リペア幹細胞"を計4回投与しました。あわせて、慢性疼痛に対しては2億個の"リペア幹細胞"を点滴にて1回投与しています。手術を伴わず、脊髄の神経組織を温存したまま治療を進めることができました。 治療後の変化 大腿四頭筋を中心に筋力の改善がみられ、運動機能評価でも一部向上を記録 膝から下の筋力や排尿機能に顕著な変化は現時点では確認されていない 歩行器と装具を併用しながら積極的にリハビリを継続中 運動機能・排泄機能のさらなる改善に向けて、経過観察と治療を続けている 排便が自然に出るようになった 治療後、大腿四頭筋を中心に筋力の改善が確認され、筋力検査や運動機能評価でも一部で向上が記録されています。膝から下の筋力や排尿機能については現時点で顕著な変化は確認されていませんが、患者様は歩行器と装具を併用しながら積極的にリハビリに取り組まれています。 事故後、両下肢の筋力低下と排尿障害に苦しみ、先の見えない不安を抱えていた患者様にとって、大腿四頭筋の筋力改善は歩行復帰へ向けた大きな前進です。組織の再生・修復を促したことで、このような改善が実現しました。"リペア幹細胞"は投与後1年間にわたって効果を発揮し続けるため、さらなる改善も期待できます。
2026.09.17 -
- Joint Cases
- Hip joint cases
- Stem cell therapy cases
手術を避けて歩ける生活を取り戻した50代女性の股関節再生治療 「できるだけ手術は避けて、自分の足で歩き続けたい」——そう願って来院された50代女性の患者様。もともと両側の臼蓋形成不全があり、左寛骨臼を骨折した後に左股関節の痛みが悪化し、変形性股関節症(KL分類グレード3)と診断されました。10段階中10の激しい痛みで長距離を歩けない状態が続いていましたが、"リペア幹細胞"による治療を経て、痛みは10段階中3まで軽減し、歩行姿勢も安定するまでに回復されています。さらなる改善にも期待が持てる状況です。 治療前の状態 もともと両側の臼蓋形成不全があり、左寛骨臼の骨折後に左股関節の痛みが悪化していった 左変形性股関節症と診断され、整形外科で将来的に手術が必要になるかもしれないと説明されていた 長距離を歩くと痛みが強まり、力が入りにくく、歩き方にも乱れが見られる状態に 10段階中10の最大級の痛みを抱えながら過ごされていた もともと両側の臼蓋形成不全があった患者様は、左の寛骨臼を骨折した際に十分な安静が取れなかったことをきっかけに、左股関節の痛みが次第に悪化していきました。整形外科では将来的な手術の可能性を説明され、保存療法で様子を見るよう指示されていましたが、長距離を歩くと痛みが強まり、力が入りにくく、歩き方にも乱れが見られるようになっていきました。 中等度から高度の変形がみられる変形性股関節症では、通常は手術が選択肢として検討されます。ですが、患者様はできるだけ手術を避けたい、先延ばししたいという思いを強くお持ちでした。そこで当院では、ご自身の細胞を用いて組織の修復を促す再生医療をご提案しました。 "リペア幹細胞"とリペアセルクリニックの特長 レントゲン所見 レントゲンにて関節の狭小化を認めます。 <治療内容>左股関節に1億個の"リペア幹細胞"を計2回投与+PRP 左股関節に"リペア幹細胞"を1回あたり1億個、計2回にわたり投与し、あわせてPRP(多血小板血漿)も実施しました。手術や入院の必要はなく、ご自身の細胞を用いて組織を温存したまま治療を進めることができました。 治療後の変化 PRP投与ののち、自己脂肪由来の"リペア幹細胞"を計2回にわたり左股関節へ投与 投与を重ねるなかで低下していた筋力が回復し、歩行姿勢が安定 2回目の投与後には痛みが10段階中10から3まで軽減し、長距離歩行での痛みも大幅に改善 手術を避けながら、日常生活の質が向上し、自主トレとの併用でさらに改善傾向 はじめにPRPを左股関節へ投与し、同じ日に脂肪を採取して"リペア幹細胞"の培養を開始しました。その後、1億個の"リペア幹細胞"を2回にわたり左股関節へ投与しました。投与を重ねるなかで低下していた筋力が回復し、2回目の投与後には痛みが10段階中10から3まで軽減しました。長距離歩行での痛みも大幅に和らぎ、歩行姿勢も安定してきています。 来院当初は長距離を歩けず、将来の手術を説明されていた状態でしたが、手術を避けながら歩ける生活を取り戻すことができました。来院時に抱えていた「できるだけ手術を避けたい」という願いを叶え、日常生活を送りやすくなられています。組織の再生・修復を促したことで、このような改善が実現しました。"リペア幹細胞"は投与後1年間にわたって効果を発揮し続けるため、さらなる改善も期待できます。
2026.09.15 -
- Joint Cases
- Shoulder joint cases
- Stem cell therapy cases
手術を回避し腕が挙がる喜びを取り戻した70代女性の右肩腱板断裂の再生治療 「手術や入院はどうしても避けたい」——ご家庭の事情からそう強く願って来院された70代女性の患者様。右肩の腱板(棘上筋)に大きな断裂があり、腕が挙がらず強い痛みに悩まされていました。10段階中7の痛みで腕を90度以上挙げることがほぼできない状態が続いていましたが、PRP療法と"リペア幹細胞"による治療を経て、痛みは10段階中1〜2まで軽減し、腕が挙がりやすく日常生活もスムーズに送れるまでに回復されています。 治療前の状態 数年前から右肩に痛みを感じ、転倒をきっかけに症状が一気に悪化していった 右肩の腱板(棘上筋)の大きな断裂と診断され、腕を上げる動作が大きく制限されていた 腕を上げる動きも横に開く動きも60度ほどにとどまり、90度以上挙げることはほぼ不可能な状態に 10段階中7の強い痛みが持続し、ご家庭の事情から手術や入院は避けたいと希望されていた 数年前から右肩に痛みを感じておられ、その後の転倒をきっかけに痛みが強まり、腕が痛くて挙がらない状態になっていきました。検査では右肩の腱板に大きな断裂が見つかり、腕を上げる動きも横に開く動きも60度ほどに制限され、強い痛みも続いていました。手術や入院をともなう治療には踏み切れず、再生医療による治療を希望して当院へご相談いただきました。 腱板の大きな断裂では、通常は腱を縫い合わせる手術が選択肢として提案されます。ですが、患者様はご家庭の事情から手術や入院はどうしても避けたいという強いご希望をお持ちでした。そこで当院では、ご自身の細胞を用いて組織の修復を促す再生医療をご提案しました。 "リペア幹細胞"とリペアセルクリニックの特長 MRI所見 MRIにて腱板の損傷を認めます <治療内容>右肩に合計2,500万個の"リペア幹細胞"を計3回投与+PRP 右肩に"リペア幹細胞"を計3回にわたり、合計2,500万個をエコーガイド下で投与し、あわせてPRP(多血小板血漿)も計3回実施しました。手術や入院の必要はなく、すべて日帰りで、ご自身の細胞を用いて治療を進めることができました。 治療後の変化 PRP療法を3回終えた段階で痛みが10段階中7から3へと大幅に軽減 "リペア幹細胞"の投与を重ねるごとに動作時の痛みも減り、腕を動かしやすさを実感 最終的に痛みは10段階中1〜2まで軽減し、腕が挙がりやすくなった 入院も手術もせずに日常生活動作がスムーズに送れるまでに回復 まずPRP療法を3回行い、この段階で痛みは10段階中7から3まで大きく軽減しました。続いて自己脂肪由来の"リペア幹細胞"を右肩に計3回投与したところ、回を重ねるごとに動作時の痛みが減り、腕を動かしやすくなっていきました。投与前に一時的な痛みの増悪がみられた時期もありましたが、最終的に痛みは10段階中1〜2まで軽減しました。 来院当初は腕を90度以上挙げることもできず、強い痛みに悩まされ、手術や入院を避けたいと願っていらっしゃいました。治療を経て、手術をせずに腕が挙がりやすくなり、日常生活動作もスムーズに送れるようになり、来院時に抱えていた「手術はどうしても避けたい」という願いを叶えることができました。
2026.09.13 -
- Joint Cases
- Meniscus cases
- Stem cell therapy cases
農作業への復帰を取り戻した50代女性の左膝半月板再生治療 「手術を勧められたけれど、できれば自分の膝を残したい」——そう願って来院された50代女性の患者様。長年の農作業で酷使してきた左膝は、半月板損傷をともなう変形性膝関節症と診断されました。10段階中8〜9の強い痛みで正座もできない状態が続いていましたが、"リペア幹細胞"による治療を経て、痛みは10段階中2まで軽減し、再び正座や農作業ができるまでに回復されています。 治療前の状態 4年前、正座を崩した際に左膝に違和感と痛みが出現し、次第に悪化していった 半月板損傷をともなう変形性膝関節症と診断され、手術を勧められた 膝の曲げ伸ばしがつらく、正座やしゃがみ動作ができない状態に 10段階中8〜9の強い痛みを抱えながら、和歌山県からJRで2時間かけて通院されていた ある日、正座を崩した拍子に左膝の違和感と痛みを感じ、そのまま様子を見ていたところ、次第に痛みが強まっていきました。検査で半月板損傷と変形性膝関節症と診断され手術を勧められたものの、手術には踏み切れず、しばらく経過を見ていらっしゃいました。やがて膝の曲げ伸ばしがつらくなり、正座やしゃがみ動作もできなくなったため、再生医療による治療を希望して当院へご来院されました。 半月板損傷をともなう変形性膝関節症が進行した場合、通常は手術が選択肢として提案されます。ですが、患者様はできるだけ自分の膝を残したいという思いから、手術には慎重になっていらっしゃいました。そこで当院では、ご自身の細胞を用いて組織の修復を促す再生医療をご提案しました。 "リペア幹細胞"とリペアセルクリニックの特長 MRI・レントゲン所見 レントゲンにて関節の狭小化を認めます。MRIにて半月板の損傷を認めます。 <治療内容>左膝に5,000万個の"リペア幹細胞"を計2回投与+PRP 左膝に"リペア幹細胞"を1回あたり5,000万個、計2回にわたり投与し、あわせてPRP(多血小板血漿)も実施しました。手術や入院の必要はなく、ご自身の細胞を用いて半月板を温存したまま治療を進めることができました。 治療後の変化 投与から約1か月後には腫れが減り、膝を動かしやすくなる変化を実感 治療開始から5か月で痛みが10段階中2まで軽減 関節の腫れや違和感が消失し、正座ができるまでに回復 農作業(キウイ収穫)にも復帰し、痛みを気にせず活動できるように PRP療法ののち、自己脂肪由来の"リペア幹細胞"を左膝に投与しました。投与後は一時的に痛みが強まる時期もありましたが、約1か月後には腫れが軽減し、動かしやすさを実感されました。治療開始から3か月で痛みは10段階中5へ、5か月後には10段階中2まで軽減し、腫れや違和感も消失しました。 来院当初は正座もしゃがみ動作もできず、手術を勧められていた状態でしたが、手術をせずに正座ができるまで回復し、農作業にも復帰されました。膝の痛みを気にせず日常を送れるようになり、来院時に抱えていた「自分の膝を残したい」という願いを叶えることができました。
2026.09.11
revive
What is "regenerative medicine?"
When you are injured, the wound closes, and the scar fades little by little...
It seems obvious, but that is actually the power of the cells at work.
It is your body's cells trying to become skin and bone in order to repair
the weakened parts of your body.
The treatment that maximizes the power of the cells is called
"regenerative medicine".
Features of Repair Cell Clinic Osaka
Our clinic is one of the few medical institutions in Japan that has been approved by the Ministry of Health, Labour and Welfare to provide state-of-the-art medical care using autologous cells in the fields of disease, immunology, and cosmetics.
The advanced technology of the CPC (Cell Culture Processing Center) enables the administration of stem cells in a non-refrigerated manner, resulting in a high survival rate. Since your own cells and blood are used, there is less concern about side effects such as allergies and rejection.
The Osaka Clinic offers a relaxing space where patients can receive treatment in a calm, café-like atmosphere.
- 200 million cells can be
administered *depending on the indication - High safety (no chemicals)
- No hospitalization required
Day trip - Less
stress on the body - CPC with high technology
- Relaxing
space
Regenerative Medicine Channel
Cell culture processing facility (CPC)
Collaboration with Cell Processing Center
(CPC), a cell culture and processing facility essential for regenerative medicine
Medical institutions notified by the Ministry of Health, Labor and Welfare
Type 2 and Type 3 regenerative medicine provision plan Notified
リペアセルクリニックは、第二種・第三種再生医療提供計画を厚生労働省に届出し、受理されました。
各治療について、厚生労働省より再生医療等提供計画番号を取得しています。
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「自己脂肪由来幹細胞を用いた脳血管障害の治療」
第二種 計画番号
PB5200026 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた糖尿病の治療」
第二種 計画番号
PB5190014 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害の治療」
第二種 計画番号
PB5190015 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症の治療」
第二種 計画番号
PB5190016 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた顔面萎縮症・皮膚再生治療」
第二種 計画番号
PB5190018 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた脊髄損傷の治療」
第二種 計画番号
PB5200048 -

「自己脂肪由来幹細胞を用いた慢性疼痛の治療」
第二種 計画番号
PB5200007 -

「多血小板血漿を用いた変形性関節症の治療」
第二種 計画番号
PB5200037 -

「多血小板血漿を用いた筋腱炎・靭帯炎の治療」
第三種 計画番号
PC5200068 -

「多血小板血漿を用いた皮膚再生治療」
第三種 計画番号
PC5200082 -

「活性化NK細胞を用いた悪性腫瘍の予防の治療」
第二種 計画番号
PC5230075 -

「自己脂肪由来幹細胞+前骨芽細胞分化誘導上清液を用いた変形性関節症の治療」
第二種 計画番号
PB5230070
























This allows us to offer treatments that are still rarely approved in Japan, such as regenerative medicine for "osteoarthritis," in which autologous stem cells are infused into the body to regenerate internal organs, intra-articular administration of PRP (platelet-rich plasma), and skin regeneration using PRP and stem cells, as free medical services under the Act on the Safety Assurance of Regenerative Medicine, etc. Regenerative medicine using autologous stem cells is now available as an unrestricted medical procedure. Regenerative medicine using autologous stem cells is subject to strict review by a specified authorized committee for regenerative medicine approved by the Ministry of Health, Labour and Welfare (MHLW), which examines the appropriateness, safety, physician system, cell processing management system, etc., of the treatment, and only after the plan is deemed appropriate can it be submitted to the MHLW, Only then can the treatment plan be submitted to the Ministry of Health, Labour and Welfare, where it will be accepted and assigned a number.
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視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)の治療は、発作が起きたときの急性期治療と、次の発作を防ぐ再発予防治療の2つに分けて考えます。 この病気は再発のたびに視力障害や麻痺などの障害が蓄積しやすいため、発作を起こさない状態を保つことが治療の軸になります。 近年は再発予防に用いられる薬剤の選択肢が広がり、病状に応じた治療を選べるようになってきました。 本記事では、急性期治療と再発予防治療の内容、治療薬の選び方、後遺症へのリハビリ、副作用の注意点について解説します。 患者様ご本人だけでなく、支えるご家族にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。 視神経脊髄炎の治療は「急性期」と「再発予防」に分けられる 視神経脊髄炎の治療は、急性期治療と再発予防治療の2本立てで行われます。 急性期治療の目的は、視神経炎や脊髄炎などの発作が起きた際に炎症をすばやく抑え、神経障害をできるだけ残さないことです。 一方の再発予防治療は、発作が治まった後も継続し、次の発作を防ぐことを目的とします。 視神経脊髄炎は、再発と寛解を繰り返しながら慢性の経過をとるため、長期の療養が必要とされています。 ※参照:難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」 再発を重ねるほど視力障害や麻痺が残りやすくなるため、症状が落ち着いた後の治療継続が重要になります。 「発作が治まったら治療は終わり」ではない点を、まず押さえておきましょう。 発作が起きたときに行う急性期治療 新たな視力低下や手足のしびれ・麻痺が現れた場合は、できるだけ早く治療を開始することが重要です。 炎症が長引くほど神経のダメージが大きくなり、後遺症が残りやすくなるためです。 ステロイドパルス療法 血液浄化療法 ここでは、急性期に行われる代表的な2つの治療について解説します。 ステロイドパルス療法 ステロイドパルス療法は、高用量のステロイドを短期間に点滴で投与し、炎症を強力に抑える治療です。 視神経炎や脊髄炎の急性期における標準的な治療として、一般的に行われます。 数日間の点滴を1クールとして実施し、効果が不十分な場合は繰り返されることもあります。 また、症状の程度や治療への反応に応じて、その後に内服のステロイドへ切り替えて継続する場合があります。 短期間の大量投与では、不眠、血糖値の上昇、胃の不快感などが起こることがあります。 気になる症状があれば、その都度医療スタッフへ伝えましょう。 血液浄化療法 ステロイド治療で十分な改善が得られない場合や、症状が重い場合には血液浄化療法が検討されます。 代表的なのが血漿交換で、血液中から病気に関係する抗体や炎症物質を取り除くことを目的とします。 視神経脊髄炎ではAQP4抗体が病態に関わるため、この抗体を減らすアプローチが有効となる場合があります。 専用の装置を用いて行うため、対応できる医療機関で実施されます。 症状が重い場合には、ステロイドパルス療法の効果を待たず早期に追加されることもあります。 治療の進め方は病状によって異なるため、方針について不明な点は主治医に確認しておきましょう。 視神経脊髄炎では再発予防治療が重要 視神経脊髄炎は再発によって神経障害が蓄積しやすいため、発作が治まった後の予防治療が欠かせません。 とくにAQP4抗体陽性の患者様では再発率が高いことが知られており、予防治療の必要性が高いとされています。 抗体医薬による再発予防 免疫を抑える薬による再発予防 ここでは、再発予防に用いられる2つの治療について解説します。 抗体医薬による再発予防 AQP4抗体陽性の視神経脊髄炎では、病態に関わる仕組みを狙って働く抗体医薬が使用されます。 標的となるのは、主に以下の3つです。 標的 考え方 補体 抗体が結合した後に組織を傷つける働きを抑える IL-6受容体 炎症を促す情報伝達を抑える B細胞 抗体を作り出す細胞に働きかける 薬剤ごとに、点滴か皮下注射かといった投与方法や投与間隔、副作用の特徴、使用できる条件が異なります。 そのため、病状や合併症、通院の負担などを踏まえて選択されます。 また、薬剤によっては投与前にワクチン接種が必要な場合もあります。 免疫を抑える薬による再発予防 患者様の状態によっては、副腎皮質ステロイドの内服や免疫抑制薬を用いて再発予防を行う場合があります。 これらは以前から用いられてきた方法で、現在も病状や治療歴に応じて選択されます。 ステロイドの内服を長期間続ける場合は、骨粗しょう症、血糖値の上昇、感染症などに注意が必要です。 免疫抑制薬では、白血球の減少や肝機能への影響を確認するため、定期的な血液検査が行われます。 いずれの治療でも、副作用を確認しながら継続していくことが前提となります。 自己判断で量を減らすと再発につながる可能性があるため、気になる点は必ず主治医へ相談しましょう。 視神経脊髄炎の治療薬はどう選ぶ? 治療薬は、患者様ごとの状況を踏まえて選択されます。 考慮される主な要素は以下のとおりです。 AQP4抗体やMOG抗体の有無 これまでの再発回数と間隔 発作時の症状の重さと残った障害 年齢 妊娠を希望しているかどうか 感染症のリスクや持病の有無 通院可能な頻度 ここで大切なのは、「最も強い薬」を一律に選ぶものではないという点です。 効果が高くても副作用のリスクや生活への負担が大きければ、その方にとって最適とはいえません。 とくに妊娠を希望する場合は、使用できる薬剤が限られるため早い段階での相談が重要です。 治療方針に納得できないまま進めるより、疑問点を伝えて説明を受けることが継続の助けになります。 後遺症にはリハビリや症状に応じた治療を行う 急性期治療を行っても、しびれや筋力低下、歩行障害、視力障害、排尿・排便障害などが残る場合があります。 これらの後遺症に対しては、リハビリと症状に応じた治療を組み合わせて対応します。 後遺症 主な対応 筋力低下・歩行障害 理学療法による筋力訓練、バランス訓練、装具や杖の活用 日常生活動作の困難 作業療法による動作練習、自助具の選定 しびれ・神経障害性疼痛 神経の興奮を抑える薬による薬物療法 排尿・排便障害 泌尿器科との連携、排尿管理の指導 視力障害 眼科での経過観察、生活環境の調整 感覚が鈍い部位では、やけどや傷に気づきにくくなります。 入浴時の湯温確認や、毎日の皮膚チェックを習慣にしておくと安心です。 治療中は感染症などの副作用に注意する ステロイドや免疫抑制薬、抗体医薬では、いずれも免疫の働きを抑えるため感染症に注意が必要です。 治療中は、以下の点を心がけましょう。 手洗いやうがい、マスクなど基本的な感染対策を続ける 定期的な診察と血液検査を受ける 発熱や体調の変化があれば早めに主治医へ連絡する ワクチン接種の可否を事前に確認する 他院を受診する際は治療内容を伝える とくに発熱時は、市販薬で様子を見る前に主治医へ相談してください。 免疫を抑えている状態では、感染症が急速に悪化する可能性があるためです。 また、症状が落ち着いていても自己判断で薬を中断しないことが大切です。 調子のよい状態は治療によって保たれている場合が多く、中断は再発のリスクにつながります。 新たな視力低下や麻痺がある場合は早めに受診する 以下の症状は、再発のサインとなる場合があります。 急な視力低下、視野が欠ける 目の奥が痛む、目を動かすと痛い 新たな手足のしびれや脱力が出た 歩きにくさが急に進んだ 排尿・排便の障害が現れた 原因のわからない強い吐き気や嘔吐が続く しゃっくりが止まらない 強い吐き気や止まらないしゃっくりは、脳幹の病変によって起こることがある症状です。 「胃腸の不調だろう」と自己判断せず、主治医へ連絡してください。 また、以前経験した発作と似た症状であっても、様子を見ずに相談することが大切です。 再発は早期に治療を始めるほど、障害を残しにくいとされています。 視神経脊髄炎は発作の治療と再発予防の両方が重要 視神経脊髄炎の治療では、発作時にステロイドパルス療法や血液浄化療法で炎症を抑えることが第一歩となります。 そのうえで、抗体医薬や免疫抑制薬による再発予防治療を長期的に続けることが、障害の蓄積を防ぐ鍵になります。 治療薬は抗体の種類や再発歴、妊娠希望の有無などによって選択されるため、疑問があれば主治医に確認しましょう。 後遺症が残った場合も、リハビリや症状に応じた治療によって生活機能の維持・改善を目指せます。 新たな視力低下や麻痺などの症状が現れた際は、自己判断で様子を見ず、早めに医療機関へ連絡してください。
2026.08.31 -
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多発性硬化症と診断され「寿命は短くなるのか」と不安を感じている患者様やご家族は少なくありません。 結論として、この病気に「発症後○年」といった一律の余命はなく、経過は患者様ごとに大きく異なります。 また、近年は再発を抑える治療の選択肢が広がり、長期的に病気を管理しながら生活を続けられるようになってきました。 本記事では、多発性硬化症の生命予後を左右する要因や治療の意義、長く付き合っていくために大切なことを解説します。 不安を整理し、これからの見通しを考える参考として、ぜひ最後までご覧ください。 多発性硬化症で寿命が一律に短くなるとはいえない 多発性硬化症には、「発症後何年」といった一律の余命はありません。 生命予後は、病型、発症年齢、障害の程度、治療の状況などによって大きく異なります。 一般人口と比較して平均寿命がやや短いとする報告もありますが、これらの多くは治療法が限られていた時代のデータを含んでいます。 現在は再発や進行を抑える薬剤が登場し、病気の活動性をコントロールしながら生活を続ける患者様が増えています。 多発性硬化症は再発と寛解を繰り返し、慢性の経過をとる疾患とされており、長期の療養が必要になります。 ※参照:難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」 そのため、古い情報だけを根拠にご自身の将来を判断せず、現在の病状をもとに主治医と見通しを共有することが大切です。 多発性硬化症の寿命・予後を左右する主な要因 長期的な経過は、病名そのものではなく複数の要因の組み合わせによって決まります。 病型や障害の進行度 再発の回数や病気の活動性 このほか、発症年齢、治療を開始した時期、合併症の有無なども関わります。 ここでは、とくに影響が大きい2つの要因について解説します。 病型や障害の進行度 多発性硬化症は、経過の仕方によっていくつかの病型に分けられます。 病型 経過の特徴 再発寛解型 症状が現れる再発期と、落ち着いている寛解期を繰り返す 二次性進行型 再発寛解型の経過を経たのち、再発とは関係なく徐々に障害が進む 一次性進行型 発症当初から明らかな再発を伴わず、緩やかに進行する 歩行障害などの身体機能の低下が進むと、生活全体への影響が大きくなります。 移動が制限されることで活動量が減り、体力や筋力の低下につながる場合もあります。 ただし、進行のスピードには個人差があり、病型だけで寿命を予測することはできません。 同じ病型でも、経過が緩やかな方もいれば変化が早い方もいます。 再発の回数や病気の活動性 再発や新たな神経障害が繰り返されると、障害が少しずつ蓄積していく場合があります。 再発時の症状は治療によって改善することもありますが、一部が後遺症として残ることがあります。 そこに次の再発が加われば、残った障害の上にさらに新しい障害が重なる可能性があります。 そのため、再発を抑えて病気の活動性をコントロールすることが、長期的な身体機能の維持につながります。 なお、活動性は自覚症状だけでは判断できません。 症状として現れないまま、MRIで新しい病変が見つかることもあるため、定期的な検査が重要になります。 多発性硬化症の治療は長期予後に重要 多発性硬化症の治療の中心となるのが、疾患修飾薬(DMD)と呼ばれる薬剤です。 再発を抑えたり、障害の進行を遅らせたりすることを目的として用いられます。 薬剤の種類は複数あり、病型や病気の活動性、年齢、合併症、副作用の出方などを踏まえて選択されます。 ここで重要なのが、症状が落ち着いていても自己判断で治療を中止しないことです。 調子がよい状態は、治療によって病気の活動性が抑えられている結果である場合が多くあります。 中断によって再発が起これば、これまで維持できていた機能が失われる可能性もあります。 副作用や通院の負担で治療が難しいと感じる場合も、まずは主治医へ相談しましょう。 寿命に影響する可能性がある合併症 生命予後に関わるのは、多発性硬化症そのものだけではありません。 障害が進んだ場合に注意したい合併症は、以下のとおりです。 誤嚥性肺炎(嚥下機能の低下による) 尿路感染症(排尿障害による残尿など) 床ずれ(褥瘡) 活動量の低下による筋力・体力の低下 転倒による骨折 免疫を抑える治療中の感染症 とくに誤嚥性肺炎と尿路感染症は、全身状態に影響を及ぼしやすい合併症です。 食事中にむせる、発熱を繰り返すといった様子があれば、早めに医師へ伝えてください。 一方で、これらの多くは予防や早期対応が可能です。 障害が進んだ場合でも、リハビリを続けて機能を維持し、合併症を防ぐ管理を行うことが予後に関わります。 多発性硬化症と長く付き合うために大切なこと 基本となるのは、疾患修飾薬を医師の指示どおりに継続し、定期的に病気の活動性を確認することです。 診察に加えてMRI検査を行い、新しい病変が出ていないかを確認していきます。 あわせて、日常生活では以下の点を心がけましょう。 喫煙している場合は禁煙を検討する 体調に合わせて適度に体を動かす 手洗いやワクチンなど感染症の予防を行う 適正体重を維持する 十分な睡眠と休息をとる 疲労や体温上昇で症状が強まる場合は無理をしない 喫煙は病気の経過に影響する可能性が指摘されているため、禁煙は取り組む価値のある対策です。 また、暑さや入浴で一時的に症状が強まることがあるため、体温が上がりすぎない工夫も役立ちます。 なお、ワクチン接種の可否は治療内容によって判断が異なるため、必ず主治医に確認してください。 新たな麻痺や視力低下がある場合は早めに受診する 以下のような症状が現れた場合は、再発の可能性があるため早めに主治医へ相談してください。 新たな手足のしびれや感覚の鈍さが出た 手足に力が入りにくい、物を落とすようになった 片目の視力低下や、目を動かしたときの痛みがある 物が二重に見える ふらつきが強くなり歩きにくい 排尿・排便の障害が新たに現れた これらの症状が24時間以上続いている とくに、突然の強い症状や急に歩けなくなるような変化がある場合は、自己判断で様子を見ないでください。 再発は早期に治療を始めるほど、障害を残しにくいとされています。 なお、発熱や疲労で一時的に症状が強まることもあり、この場合は再発とは区別されます。 判断が難しいときこそ、自分で決めずに医療機関へ連絡しましょう。 多発性硬化症の寿命は一律ではなく長期的な治療管理が重要 多発性硬化症は生命予後に個人差が大きく、病名だけで寿命を判断することはできません。 病型や障害の進行度、再発の頻度、合併症の有無など、複数の要因が経過に関わります。 一方で、治療の選択肢は広がっており、再発を抑えながら長く付き合っていくことが可能になってきました。 疾患修飾薬を自己判断で中断せず、定期的な診察とMRIで病気の活動性を確認していきましょう。 新たな神経症状が現れた場合は早めに主治医へ相談し、不安な点は抱え込まずに共有することが、これからの生活を支える基盤になります。
2026.08.31 -
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多発性硬化症は、脳や脊髄の神経を包む髄鞘(ずいしょう)が障害される自己免疫性の疾患です。 発症しやすい人には、若い成人、女性、家族に患者がいる人といった一定の傾向が知られています。 ただし、これらの特徴に当てはまるからといって、必ず発症するわけではありません。 本記事では、多発性硬化症の発症リスクと関連が指摘されている特徴や生活習慣、初期症状と受診の目安について解説します。 不安を整理し、必要なときに適切な行動をとるための参考として、ぜひ最後までご覧ください。 多発性硬化症になりやすい人には一定の傾向がある 多発性硬化症は、特定の一つの原因だけで発症する病気ではありません。 免疫が誤って自分の神経を攻撃してしまうことで、中枢神経に炎症と脱髄が起こると考えられています。 発病の仕組みはまだ完全には解明されていませんが、自己免疫の機序が関与しているとされています。 ※参照:難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」 現在わかっているのは、年齢・性別・遺伝的素因・感染歴・生活習慣といった複数の要因が、発症リスクと関連しているという点です。 言い換えれば、どれか一つの特徴が発症を決めているわけではありません。 そのため、以下で紹介する特徴に当てはまっても、過度に心配する必要はありません。 多発性硬化症になりやすい人の主な特徴 発症リスクとの関連が知られている代表的な特徴は、以下のとおりです。 若い成人・女性 家族に多発性硬化症の患者がいる人 特定の環境・生活習慣に関連する要因がある人 ここでは、3つの特徴について解説します。 若い成人・女性 多発性硬化症は、若年成人での発症が多い疾患です。 20〜30代で診断されるケースが目立ち、働き盛りや子育て世代と重なることも少なくありません。 また、男性より女性に多い傾向があることも知られています。 この背景には、女性ホルモンや免疫の働き方の違いが関係している可能性が指摘されていますが、詳細は明らかになっていません。 ただし、小児期に発症する場合や、40代以降で診断される場合もあります。 そのため、年齢や性別だけで発症の可能性を判断することはできません。 家族に多発性硬化症の患者がいる人 家族に多発性硬化症の患者がいる場合、一般の方より発症リスクがやや高くなることが知られています。 これは、免疫の働きに関わる体質(遺伝的素因)が受け継がれることが関係していると考えられています。 ただし、多発性硬化症は単純な遺伝病ではありません。 親から子へ一定の確率で必ず伝わるという性質の疾患ではなく、家族歴があっても大多数の方は発症しません。 遺伝的素因はあくまで要因の一つであり、環境要因が重なって初めて発症に至ると考えられています。 ご家族の診断をきっかけに不安を感じている場合は、その気持ちを含めて医師に相談してみるとよいでしょう。 特定の環境・生活習慣に関連する要因がある人 環境要因として、以下のような点が発症リスクとの関連を指摘されています。 要因 指摘されている内容 喫煙 発症リスクとの関連が指摘されており、経過にも影響する可能性がある 思春期ごろの肥満 小児期から思春期の肥満が、その後の発症リスクと関連する可能性がある 日照不足・ビタミンD低値 日光を浴びる機会が少ない地域や、血中ビタミンDが低い状態との関連が指摘されている これらは、あくまで統計的な関連が報告されている要因です。 「禁煙すれば発症を防げる」「ビタミンDを摂れば安心」と断定できるものではありません。 一方で、喫煙や肥満は他の疾患のリスクにもなるため、健康管理として見直す価値はあります。 EBウイルス感染も発症リスクとの関連が指摘されている 近年注目されているのが、EBウイルス(エプスタイン・バール・ウイルス)への感染との関連です。 とくに、EBウイルス感染によって起こる伝染性単核球症の既往がある方では、発症リスクとの強い関連が報告されています。 ただし、ここで重要なのは、EBウイルスは多くの人が感染する一般的なウイルスだという点です。 成人のほとんどが幼少期から思春期までに感染しており、多くの場合は無症状か軽い風邪のような症状で経過します。 つまり、感染した方の大部分は多発性硬化症を発症しません。 「EBウイルスに感染したことがある=発症する」という関係ではないため、過度に不安を抱く必要はありません。 多発性硬化症は遺伝する? 多発性硬化症には遺伝的素因が関係しますが、親から子へ直接受け継がれる単一遺伝子疾患ではありません。 血友病や一部の筋疾患のように、特定の遺伝子の変化によって発症が決まるタイプの病気とは性質が異なります。 関わっているのは、免疫の働き方に影響する複数の遺伝的な特徴と考えられています。 そのため、家族に患者がいる場合でも、多くの方は発症しません。 実際には、遺伝的素因を持つ方に環境要因が重なることで、発症に至ると考えられています。 お子様への影響を心配される方もいますが、「遺伝する病気」と単純に捉える必要はありません。 気になる場合は、主治医や遺伝カウンセリングの窓口で相談してみましょう。 多発性硬化症を予防することはできる? 現時点で、多発性硬化症を確実に予防する方法は確立されていません。 発症の仕組みが完全には解明されていないため、「これをすれば防げる」と断定できる手段はないのが現状です。 そのうえで、一般的な健康管理として取り組めることはあります。 喫煙している場合は禁煙を検討する 適正体重を維持する バランスのとれた食事を心がける 適度に体を動かす習慣をつける 十分な睡眠を確保する 一方で、注意したいのがサプリメントの扱いです。 ビタミンDとの関連が報告されていることから大量摂取を考える方もいますが、自己判断での高用量摂取は避けてください。 ビタミンDは脂溶性のため体内に蓄積しやすく、過剰摂取によって高カルシウム血症などを起こす可能性があります。 サプリメントを使いたい場合は、医師や薬剤師に相談してから始めましょう。 しびれ・視力低下などの症状が続く場合は受診する 多発性硬化症では、以下のような症状が初発のサインとなる場合があります。 片側または両側の手足のしびれ、感覚の鈍さ 手足に力が入りにくい 片目の視力低下、目を動かしたときの痛み 物が二重に見える(複視) 歩行時のふらつき、バランスのとりにくさ 体を締めつけられるような帯状の違和感 強い倦怠感が続く これらの症状が数日以上続く、繰り返し現れる、範囲が広がってきたという場合は、脳神経内科への受診を検討しましょう。 とくに、入浴や発熱で症状が一時的に強まる、という経過がある場合も相談の目安になります。 診察では、神経学的な診察に加えて、MRIや血液検査、髄液検査などが行われることがあります。 症状が自然に軽快することもありますが、経過を確認するうえで一度受診しておくと安心です。 多発性硬化症は複数のリスク要因が関係すると考えられている 多発性硬化症は、若い成人や女性、家族歴がある方などで発症しやすい傾向がありますが、特定の特徴だけで発症を予測することはできません。 遺伝的素因と環境要因が複雑に関わって発症すると考えられており、リスク要因に当てはまっても大多数の方は発症しません。 確実な予防法は確立されていないため、禁煙や適正体重の維持といった一般的な健康管理を心がけるのが現実的な向き合い方です。 過度に不安を抱えるより、体の変化に気づける状態でいることのほうが大切といえます。 手足のしびれや視力低下、ふらつきなどの神経症状が続く場合は、原因を確かめるために脳神経内科を受診しましょう。
2026.08.31 -
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視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)は、視神経と脊髄を中心に炎症が起こる自己免疫性の疾患です。 診断を受けて「寿命は短くなるのか」と不安になる方は少なくありませんが、この病気に「発症後○年」といった一律の余命はありません。 経過は患者様ごとに大きく異なり、再発の有無や治療の状況によって将来の見通しも変わります。 本記事では、視神経脊髄炎の予後を左右する要因や再発予防の重要性、治療の内容について解説します。 患者様ご本人だけでなく、支えるご家族にも役立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。 視神経脊髄炎で寿命が一律に短くなるとはいえない 視神経脊髄炎スペクトラム障害には、「発症後何年」といった一律の余命はありません。 予後は、病状、再発の回数、治療への反応、後遺症の程度などによって大きく異なります。 そのため、病名だけを根拠に将来の見通しを判断することはできません。 実際、近年は再発予防のための治療選択肢が広がっており、病気と長く付き合いながら生活を続けている患者様も多くいらっしゃいます。 一方で、重い脊髄炎や脳幹の病変、再発によって蓄積した障害が全身状態に影響する場合があるのも事実です。 ※参照:難病情報センター「多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)」 だからこそ、病気を適切に管理して再発をできる限り防ぐことが重要になります。 視神経脊髄炎の予後を左右する主な要因 長期的な経過は、複数の要因が組み合わさって決まります。 再発の回数と重症度 脊髄・脳幹など障害される部位 このほか、発症年齢、治療を開始した時期、治療への反応、合併症の有無なども影響します。 ここでは、とくに重要な2つの要因について解説します。 再発の回数と重症度 視神経脊髄炎では、再発のたびに神経へのダメージが積み重なる場合があります。 視神経の炎症では視力の低下、脊髄の炎症では手足の麻痺やしびれ、排尿・排便障害などが起こります。 これらの症状は治療によって改善することもありますが、一部が後遺症として残ることがあります。 そして次の再発が起これば、残った障害の上にさらに新しい障害が加わる可能性があります。 つまり、再発そのものを防ぐことが、長期的な状態を守るうえで最も重要といえます。 1回ごとの発作の重症度も、その後の障害の残り方に関わります。 脊髄・脳幹など障害される部位 どこに炎症が起きるかによって、症状の重さや生活への影響は変わります。 部位 現れやすい症状 視神経 視力低下、視野の欠け、目の奥の痛み 脊髄 手足の麻痺やしびれ、歩行障害、排尿・排便障害 脳幹 強い吐き気、止まらないしゃっくり、めまい、嚥下や呼吸に関わる症状 とくに脊髄の炎症が広範囲に及ぶと、麻痺が重く残る可能性があります。 また、脳幹の中でも呼吸や嚥下に関わる部位が障害された場合は、全身状態に影響が及ぶことがあります。 病変の場所と広がりによって経過が変わるため、画像検査を含めた定期的な確認が欠かせません。 視神経脊髄炎では再発予防が重要 視神経脊髄炎では、症状が落ち着いている時期にも再発予防治療を継続することが重要です。 再発によって神経障害が蓄積しやすい疾患であるため、発作を起こさない状態をいかに保つかが治療の軸になります。 ここで注意したいのが、症状がないからと自己判断で薬を中断しないことです。 調子がよい状態は、治療によって炎症が抑えられている結果である場合が多くあります。 中断によって再発が起これば、これまで維持できていた機能が失われる可能性もあります。 副作用がつらい、通院が負担といった事情がある場合も、まずは主治医に相談しましょう。 治療内容の調整や、別の選択肢を検討できることがあります。 視神経脊髄炎の主な治療 治療は、発作が起きている急性期と、落ち着いている時期の再発予防に分かれます。 急性期の治療 再発を防ぐための治療 ここでは、それぞれの治療について解説します。 急性期の治療 発作時の目的は、炎症をすばやく抑えて神経障害をできるだけ残さないことです。 中心となるのは、ステロイドを短期間に大量投与するステロイドパルス療法です。 十分な効果が得られない場合には、血液中の抗体などを取り除く血液浄化療法(血漿交換)が検討されます。 ここで重要なのが、発作からできるだけ早く治療を始めることです。 炎症が長引くほど神経のダメージが大きくなるため、症状に気づいた時点での受診が回復の程度に関わります。 「様子を見よう」と迷った場合は、まず主治医へ連絡しましょう。 再発を防ぐための治療 再発予防では、免疫の働きを調整・抑制する薬や抗体医薬などが用いられます。 近年は抗AQP4抗体が関わる病態に対する治療薬が登場し、選択肢が広がっています。 どの治療を選ぶかは、抗体の種類、これまでの再発歴、年齢、合併症などによって異なります。 また、免疫を抑える治療では感染症にかかりやすくなる場合があるため、副作用の確認も並行して行われます。 定期的な血液検査や診察は、効果と安全性の両方を見るために必要な手順です。 体調の変化や気になる症状があれば、次の受診を待たずに相談してください。 後遺症や合併症が生活・予後に影響する場合もある 再発を繰り返すと、以下のような後遺症が残る場合があります。 視力の低下や視野の欠け 手足の麻痺やしびれ 歩行障害、バランスの不安定さ 排尿・排便障害 神経障害による痛み これらの後遺症は、日常生活の動きにくさにつながります。 運動障害によって活動量が減ると、筋力低下や体力の低下が進み、全身状態に影響することがあります。 また、排尿障害があると尿路感染を起こしやすくなり、免疫を抑える治療中は感染症への注意も必要です。 そのため、後遺症に対するリハビリと、合併症を防ぐ管理の両方が大切になります。 リハビリは機能の維持だけでなく、転倒予防や生活の質を保つ意味でも役立ちます。 視神経脊髄炎と長く付き合うために大切なこと 基本となるのは、再発予防薬を医師の指示どおりに継続し、定期的な診察と検査を受けることです。 そのうえで、再発を疑う症状を知っておくと、早期の対応につながります。 急な視力低下、視野が欠ける、目の奥が痛む 手足のしびれや脱力が新たに出た、または急に強くなった 歩きにくさが急に進んだ 排尿・排便の異常が現れた 強い吐き気や嘔吐が続く しゃっくりが止まらない 体を締めつけられるような感覚が出た 強い吐き気や止まらないしゃっくりは、脳幹の病変によって起こることがある症状です。 「胃腸の不調だろう」と自己判断せず、主治医へ連絡してください。 また、後遺症がある場合は、リハビリや福祉サービス、指定難病の医療費助成制度なども活用できます。 ひとりで抱え込まず、医療機関の相談窓口やソーシャルワーカーに相談してみましょう。 視神経脊髄炎の寿命は一律ではなく再発予防が重要 視神経脊髄炎は患者様ごとに病状や治療経過が異なるため、寿命を一律に示すことはできません。 一方で、重い再発や蓄積した後遺症が全身状態に影響する場合があることも事実です。 だからこそ、症状が落ち着いている時期にも再発予防治療を続け、定期的に病状を確認していくことが大切になります。 新たな視力低下や手足のしびれ、止まらないしゃっくりなど再発を疑う症状があれば、早めに主治医へ相談してください。 不安を抱えたまま過ごすより、治療方針や見通しについて主治医と共有しておくことが、長く付き合っていくうえでの支えになります。
2026.08.31























